こんにちは、teruruです。
今回、『U.K.』のライブ・アルバム『Live In Boston』をご案内させて頂きます。
このライブ・アルバムは、1978年に録音されたアルバムで、筆者的に気に入っているアルバムです。確かにこのアルバムのレビューに関しては、良くないというレビューを目にすることがありますが、『音質』も『ミックス・バランスもよい』と思いますし『パフォーマンスもよい』と思いますのでご案内させて頂きたいと思いました。
このアルバムの特徴としては『鮮やかでモダンな雰囲気の楽曲』と『ジョン・ウェットンの素晴らしいメロディー・センスと歌唱力』が素晴らしいアルバムだと思っています。初めてU.K.に触れる人でも問題なく楽しめるアルバムだと思っています。
『U.K.』のファースト・アルバムを聴くよりも『臨場感』があり『聴きごたえ』があると思います。唯一無二の素晴らしいバンドでしたので、オリジナル・ラインナップが短命に終わってしまったのはとても残念だと思いました。
鮮やかでモダンなライブ・アルバムのポイント
- エディ・ジョブソンのソング・ライティングとプレイ
- アラン・ホールズワースの参加
- ジョン・ウェットンのメロディー・センスと歌唱力
エディ・ジョブソンのソング・ライティングとプレイ
とにかく『エディ・ジョブソン』の鮮やかでモダンなソング・ライティングのセンスはずば抜けて優れていると思いました。
『ジョン・ウェットン』在籍時の『キング・クリムゾン』の頃のサウンドと比べると、明らかに以前の『ジョン・ウェットンの作風と違った楽曲』だと思いました。『シーケンス的なフレーズ群』や『コード・プログレッション』を見ると、『エディ・ジョブソン』が音楽面でイニシアチブを取っていると思っています。
『壮大で宇宙的な響きを演出するキーボード・プレイ』と『華麗でモダンなエレクトリック・バイオリン』の凄さも脱帽で素晴らしいです。
『プレスト・ヴィヴァーチェ』のフレーズは、おそらく『フランク・ザッパ』のバンドにいた経験から生まれたフレーズではないかと思っています。独特でメカニカルで変則的なフレーズをモダンに仕上げられたアーティストは、『エディ・ジョブソン』と『カンサス』の『ケリー・リヴグレン』ぐらいでではないかと思いました。
アラン・ホールズワースの参加
『アラン・ホールズワース』の参加は、本来でしたら絶対ありえない人選だったと思います。当時『ビル・ブルフォード』のバンドに参加していたことがきっかけで参加したようです。
『アラン・ホールズワース』自身は、『U.K.』に参加して唯一無二の素晴らしいプレイを披露したことにより、一躍有名になりました。特に当時エレクトリック・ギターと思えないような『滑らかなレガート・プレイ』は、ロック・ミュージシャンに多大な影響を与えました。
特に、『ハード・ロック・バンド』の『ヴァン・ヘイレン』のギター・リスト『エディ・ヴァン・ヘイレン』は、『アラン・ホールズワースのようなレガート・プレイ』を行いたい為に、ギター奏法の『ライト・ハンド・プレイ』の形でプレイするようになったと言われています。
『U.K.』のサウンドと『アラン・ホールズワースの流れるようなギター・プレイ』はとにかく相性が抜群にフィットしていると思います。得意の『コード・ヴォイシング』はあまり披露されてはいませんが、今回のライブ・アルバムでも、かなり弾きまくっているので楽しんで頂きたいと思います。
ジョン・ウェットンのメロディー・センスと歌唱力
どんなに『エディ・ジョブソン』がよい楽曲を書いたとしても『素晴らしいメロディー』と『それを再現できる歌唱力』がなければ、ここまで魅力的なサウンドにならなかったと思います。
実際に、『ジョン・ウェットン』在籍時の『キング・クリムゾン』の楽曲のメロディーはどれも素晴らしいものばかりで、ある意味凄いと思っています。
なおかつ、ライブでも完璧な歌唱を披露しているので、『キング・クリムゾン』と『U.K.』を含めて商業的な成功を納めなかったことは、なぜなんだろうかと思ってしまいます。
このライブ・アルバムでも『完成度の高いメロディー』と『素晴らしい歌唱力』で圧倒されます。
またドラムには『ビル・ブルフォード』が参加しているので、『以前の「キング・クリムゾン」を感じさせるような素晴らしいベース』と『ドラムとのリズム・プレイ』も十分に発揮されているので、その部分もかなり楽しめると思います。
このメンバーでしか味わえない、素晴らしいサウンドが詰まっているライブ・アルバムだと思います。
Albumlist |
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1. Alaska |
2. Time To Kill |
3. The Only Thing She Needs |
4. Carrying No Cross |
5. Thirty Years |
6. Presto Vivace / In The Dead Of Night |
7. Caesar’s Palace Blues |
Players |
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John Wetton – Vocal, Electric Bass |
Allan Holdsworth – Electric Guitar |
Eddie Jobson – Keyboards, Electric Violin |
Bill Bruford – Drum |
楽曲解説
1. Alaska
オリジナルは、U.K.のアルバム『U.K.』収録曲。
壮大で幻想的なキーボード・ソロ曲。
『エディ・ジョブソン』による『シンセサイザー・ソロ』。『シンセ・ブラス』のサウンドで壮大さを演出している。『タイム・トゥ・キル』の前奏曲のような役割になっている。
2. Time To Kill
オリジナルは、U.K.のアルバム『U.K.』収録曲。
鮮やかなポップ的なロック・ソング。
『前奏のリズム・セクション』『ポップ的なヴォーカル・セクション』『ソロ・パートのセクション』とかなりプログレッシブ・ロックらしくアレンジされている楽曲。最初から最後まで、特にリズム・アレンジが見事で楽しめると思います。
3. The Only Thing She Needs
U.K.のアルバム『デンジャー・マネー』収録曲。
リズム・テクスチャーがカッコよいロック的な楽曲。
リズムの『タイミング』や『フレーズの鋭さ』などアレンジがロック的にカッコよく仕上がっている楽曲。『ヴォーカル・ライン』もインパクトがあり、最後まで一気に聴けてしまいます。ソロ・セクションになると、『キング・クリムゾン的なリズム・セクション』なども取り入れていてオシャレにも感じます。『アウトロー』のアレンジも見事に完結させていると思います。
4. Carrying No Cross
U.K.のアルバム『デンジャー・マネー』収録曲。
悲しげなバラード・ソング。
悲しげなバラード・ソングですが、後半に入るとエキゾチックなソロ・セクションに繋がります。『キング・クリムゾン的なリズム・セクション』や『フランク・ザッパ的なリズム・プレイ』を取り入れていてユニークなアレンジになっています。
5. Thirty Years
オリジナルは、U.K.のアルバム『U.K.』収録曲。
宇宙的なイメージのパワー・バラード・ソング。
宇宙的なイメージなイメージで悲しげなパワー・バラード。後半に入ると『フランク・ザッパ』のようなリズム・アレンジがされていて、イメージを変化させていてユニークなアレンジになっていると思います。終盤はバラードに戻ります。味わいのある楽曲だと思います。
6. Presto Vivace / In The Dead Of Night
オリジナルは、U.K.のアルバム『U.K.』収録曲。
メカニカルで変則的なインストゥルメンタル・パートとクールでタイトなロック的な楽曲。
『プレスト・ヴィヴァーチェ』は『フランク・ザッパ的なフレーズ』に、『キング・クリムゾン的なリズム・セクション』を合わせたような『インストゥルメンタル・パート』。インパクトがあるパートです。
『イン・ザ・デット・オブ・ナイト』は、タイトでクールなロック的な楽曲で、『リズム・セクション』もかなりアレンジされていて、メリハリがついていてカッコよいサウンドに仕上がっている。『アラン・ホールズワース』の迷いのない滑らかな『ギター・ソロ』も見事だと思います。
7. Caesar's Palace Blues
U.K.のアルバム『デンジャー・マネー』収録曲。
カントリー・ミュージック的な要素を感じさせるロック・ソング。
『エレクトリック・バイオリン』で、『カントリー・ミュージック的なフレーズとフィーリング』を出しているユニークな楽曲。白熱した凄い『エレクトリック・バイオリン・プレイ』が印象的に響きます。
アラン・ホールズワース関連記事はこちらになります。
『ハイセンスでエモーショナルなブリティッシュ・ロック『Guaranteed』 / Level 42』
今回、1999年に発売された『U.K.』のライブ・アルバム『Live In Boston』をご案内させて頂きました。
機会がありましたら、楽しんでみて下さい。