• 心地よいハイセンスなロック・アルバム『Staring At The Sun』 / Level 42

    Level42

    こんにちは、teruruです。

    今回は、1988年に発売された『Level 42』のアルバム『Staring At The Sun』をご案内致します。

    レベル42は、基本的に『ファンク・ミュージック』系のバンドですが、前作『ランニング・イン・ザ・ファミリー』のツアー終了後に、ギターの『ブーン・グールド』とドラムの『フィル・グールド』が脱退してしまいました。

    音楽性を一新したかったのか具体的な理由はわかりませんが、アルバムの半分ぐらいの楽曲をベース/ヴォーカルの『マーク・キング』と『ブーン・グールド』によって楽曲が書かれているので、ロック的な方向に進むことが前提となっていたのだと考えています。

    その後、ギターの『アラン・マーフィー』とドラムの『ゲイリー・ハズバンド』が加入して、パワフルなロック・バンドでレコーディングされたアルバムが『スターリング・アット・ザ・サン』になります。このアルバムは、全体的にロック的でタイトで心地よいハイセンスなアルバムだと思います

    もちろん全曲捨て曲なしのアルバムになりますので、初めて聴く方でも問題なく楽しめるアルバムだと思います

    Level42 / Staring At The Sun チャプター切り替え可能です。

    心地よいハイセンスなロック・アルバムのポイント

    • クールでタイトなロック・サウンドで統一されている
    • アラン・マーフィーのギター・プレイ

    クールでタイトなロック・サウンドで統一されている

    このアルバムは、クールでタイトなロック・サウンドで統一されていて特にカッコいいと思います。前作以前のアルバムですと『ファルセット・ヴォイス』などでクールでファンキーなメロディーの楽曲が沢山ありましたが、今作は実にロック的なメロディーが素晴らしいと思います。

    考えてみると、実際に『ブーン・グールド』と『フィル・グールド』が脱退した時点で、ファンキーなサウンドのレベル42のサウンドを再現することが、難しかったのかもしれません。

    ただこのアルバムで打ち出したサウンドは、現在聴いても新鮮で、なおかつ完成度が高い楽曲だと思っています

    『レベル42』の歴史から見ると『スターリング・アット・ザ・サン』は番外編的なアルバムに見えるかもしれませんが『レベル42』だから構築できた素晴らしいサウンドだと思っています。

    アラン・マーフィーのギター・プレイ

    『アラン・マーフィー』自身は、『レベル42』以前は『ゴー・ウエスト』という2人組のユニットのグループの『バック・メンバー』としてギターをプレイしていて『セカンド・アルバム』では曲作りにも参加しています。

    彼のギター・プレイは、特にニュアンスが独特で『ギターのアームを細かく使用して「ジェフ・ベック」のような繊細なプレイ』と『先の読めないプレイ』が印象的で、特にこのアルバムに大きな影響をもたらしていると思います

    ギターのみ澄まして聴いていると、本当にギターの神様『ジェフ・ベック』が弾いているのではないかと錯覚してしまいそうでした。

    『アラン・マーフィー』本人自身は『ジェフ・ベック』ではなく、どうやら『アラン・ホールズワース』のファンだったらしく『ギターのアームを生かしたプレイ・スタイル』はそこからきているようですね。

    このような素晴らしいプレイをしていましたが、このアルバムのツアー後に、残念ながら『エイズ』で帰らぬ人になってしまい遺作となってしまいました。素晴らしいプレイヤーなだけに悲しいですね。ぜひ彼のプレイを楽しんで頂きたいと思います。

    Level42 / Heaven In My Hands (The Prince’s Trust Rock Gala 1989)
    Level 42 / Live at Wembley 1989
    Albumlist
    1. Heaven In My Hands
    2. I Don’t Know Why
    3. Take A Look
    4. Over There
    5. Silence
    6. Tracie
    7. Staring At The Sun
    8. Two Hearts Collide
    9. Man
    10. Gresham Blues
    Players
    Mark King – Vocal, Electric Bass
    Mike Lindup – keyboards, Backing vocal, Lead Vocal (5)
    Alan Murphy – Electric Guitar
    Gary Husband – Drum
    Wally Badarou – keyboards
    Dominic Miller – Electric Guitar
    Steve Sidwell – Trumpet (7, 10)
    Krys Mach – Sax (7, 10)
    Staring At The Sun

    楽曲解説

    1. Heaven In My Hands
    エッジの効いたソリッドなロック・ソング。
    ノリのがよくエッジの効いたソリッドな楽曲で、コーラスを含めて『ヴォイス・アンサンブル』が心地よいと思います。聴き飽きない爽快感があり、とてもよい楽曲だと思います。『ギター・ソロ』もピッタリハマってよい仕上がりだと思います。
    2. I Don't Know Why
    タイトなキーボード・リズムが印象的な楽曲。
    4ビートに対して『キーボード』が独特のリズムを刻んでいて、緊張感を出していると思います。反対に『コーラス・パート』では、優しいメロディーになっていてユニークな楽曲だと思います。
    3. Take A Look
    流れるような優しいロック・ソング。
    全体的に流れるようなゆったりとしたグルーブ感で、心地よい楽曲だと思います。鮮やかに包み込むキーボード・プレイもよいと思います。透き通る『ギター』と『キーボード』のハーモニーが心地よいと思います。
    4. Over There
    疾走感のある心地よいロック・ソング。
    疾走感があり『ゲイリー・ハズバンド』の手数の多いドラムも楽しめると思います。『マーク・キング』と『マイク・リンダップ』の『ヴォイス・ハーモニー』がよい感じでミックスされていて心地よいと思います。『アフリカ』のようなイメージを感じます。
    5. Silence
    ポリフォニックなキーボードが効果的な優しいポップ・ソング。
    『マイク・リンダップ』がヴォーカルを取っている優しいポップ・ソング。『ストリングス』と『エレクトリック・ピアノ』のようなサウンドで『ポリリズム』的にセンスのあるプレイが光っていると思います。
    6. Tracie
    ファンキーのリフが印象的なポップ・ソング。
    ファンキーなリフを使用しているが、全体的にノリのよいポップ・ソングで心地よいと思います。このラインナップとしては、ファンキーさを出せるのはこの辺りまでではないかと思っています。キャッチなメロディーがよいと思います。
    7. Staring At The Sun
    アダルトなムードのある鮮やかで独特な響きのある楽曲。
    アダルトなムードで、独特な雰囲気がある楽曲。曲が進むごとに浮遊感も出しているので、何とも言えないフィーリングが魅力だと思います。『サックス・ソロ』も美しいです。アルバムでは、一番味わいがある楽曲だと思います。
    8. Two Hearts Collide
    タイトでシンプルなロック・ソング。
    全体にシンプルでダウン・トゥ・アース的で心地よい楽曲だと思います。
    9. Man
    浮遊感が漂う独特の空間的なロック・ソング。
    クールではあるが、フックの効いたメロディーが心地よい楽曲です。メロディーに合わせた『ギター・ソロ』は『ジェフ・ベック』がギターをプレイしているようにも感じる素晴らしいプレイだと思います。『ギター』の『トーン・コントロール』は見事だと思います。『コーラス』の一体感も素晴らしいと思います。
    10. Gresham Blues
    8/12拍子のオシャレに響くブルース・ソング。
    『8/12拍子』で軽やかでオシャレに響くブルース的な楽曲。ウネウネする『ベース・ライン』が美しくグルーブを包み込んでいて素晴らしいと思います。『オールマン・ブラザーズ・バンド』のように、ソロを順番で回していて、『エレクトリック・ギター』『キーボード』『サックス』の素晴らしいプレイをしていて聴きごたえがあります。感動的に響いています。
    関連記事はこちらになります。
    『ハイセンスでエモーショナルなブリティッシュ・ロック『Guaranteed』 / Level 42』

    今回は、1988年に発売された『Level 42』のアルバム『Staring At The Sun』をご案内させて頂きました。

    機会がありましたら、音楽を楽しんでみて下さい。

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