こんにちはteruruです。
今回は『Anderson Bruford Wakeman Howe』のライブ・アルバム『An Evening Of Yes Music Plus』をご案内させて頂きます。
日本版では『イエス・ミュージックの夜』というタイトルで発売されています。このアーティスト名は『ジョン・アンダーソン』『ビル・ブルフォード』『リック・ウェイクマン』『スティーブ・ハウ』のファミリー・ネイムを合わせたて名づけたアーティスト名になります。
このCDまたはDVDでは、これぞ『イエス』という感じのパフォーマンスを行っています。最良の形でオリジナルの良さを崩さず、更に新進的なアレンジを加えて演奏をしています。筆者から見て一番安定したイエスが聴ける時代だったと思います。もし聴いて頂けたら必ず納得いかれると思います。
特に『アンド・ユー・アンド・アイ』と『クロース・トゥ・ジ・エッジ』のパフォーマンスはこのツアーが一番ベストな演奏だと思っています。
背景として
『アンダーソン・ブラッフォード・ウェイクマン・ハウ』は、1988年当時の『トレヴァー・ラビン』が主導する『イエス』が音楽的にポップ・ミュージック的に変わっていく事に『ジョン・アンダーソン』が嫌気がさし、バンドを脱退して、かつてのイエス黄金期メンバーの『ビル・ブルフォード』『リック・ウェイクマン』『スティーブ・ハウ』に声をかけ結成したバンドになります。
このバンドはメンバーに加えて『トニー・レヴィン』『マット・クリフォード』『ミルトン・マクドナルド』というバック・メンバーを加えてアルバムの制作が行われました。『アンダーソン・ブラッフォード・ウェイクマン・ハウ』というタイトルのアルバムが制作され、日本版では『閃光』というタイトルで発売されました。
『アンダーソン・ブラッフォード・ウェイクマン・ハウ』のアルバムは、ポップなところもあるが、イエスらしいテイストやフィーリングが溢れているかなりの優れた作品だと思います。
当時『ビル・ブルフォード』が使用していた『エレクトリック・ドラム』や『リック・ウェイクマン』の『キラキラしたキーボード・サウンド』が印象的でした。イエスの70年代の作品を必ず超えているとは言えないとは思いますが、水準が高い楽曲が入っていて楽しめるアルバムです。
また元イエスのフロント・メンバーに加えて『ビル・ブルフォード』と『トニー・レヴィン』の『キング・クリムゾン』のリズム隊が参加しているので、超人的な『リズムプレイ』『インタープレイ』を期待していた人は多かったと思います。
An Evening Of Yes Music Plusについて
『アン・イブニング・オブ・イエス・ミュージック・プラス』は、『アンダーソン・ブラッフォード・ウェイクマン・ハウ』アルバムのプロモーション・ツアーという意味合いと、かつての『イエス』の楽曲を演奏するというツアーで、カリフォルニアでのコンサートがコンプリートで収録されたものになります。
残念ながら凄腕ベーシストの『トニー・レヴィン』は体調不良のために不参加。代わりに『ビル・ブルフォード』のバンドにいたフュージョン・ベーシストの『ジェフ・バーリン』が急遽参加、キーボードは元『ジェネシス』の『スティーブ・ハケット』の片腕の『ジュリアン・コルベック』が参加、アルバム同様に『ミルトン・マクドナルド』がギターで参加しました。
お薦めしたいのは1993年盤の2枚組CDです。CDでは『アイヴ・シーン・オール・グット・ピープル』『ミーティング』『スターシップトゥルーパー』がカットされていますが、当時発売されたDVD2枚とはミックスが少し違います。CDの方はスティーブ・ハウのギターがサウンド大きくなっていて、DVDではリック・ウェイクマンのキーボードがサウンド大きくなっていると思います。2007年にCDとDVDが再発されましたが、その際はDVDの音源がそのまま採用されましたので、2007年盤CDはDVDのサウンドのままリリースされたものになります。
楽曲数は少ないがギターをメインに聴きたい場合には、1993年盤CD『An Evening Of Yes Music Plus』。コンプリート盤で聴きたい場合には、2007年盤DVD『An Evening Of Yes Music Plus』をお勧めします。
さらなる飛躍をしたYesサウンドのポイント
- ビル・ブルフォードとトニー・レヴィン
- ハード・ロック的ではなくプログレッシブ・ロック的
- 新進的な新しいアレンジ
ビル・ブルフォードとトニー・レヴィン
『アン・イブニング・オブ・イエス・ミュージック・プラス』には、『トニー・レヴィン』不参加でしたが、アレンジ等を聴いていると『トニー・レヴィン』のプレイを想定してのアレンジっぽい曲がいくつかあります。特に『バースライト』『クロース・トゥ・ジ・エッジ』辺りが該当すると思っています。
『ビル・ブルフォード』と『トニー・レヴィン』のリズム・セクションの場合、『毎回違ったリズム・テキスチャー』でプレイするので、他のメインプレイヤーにとってはかなり気合が入ると思います。超人的なリズム隊がいるので楽しくないはずがないと思っています。
ただ今回参加したベースの『ジェフ・バーリン』は前線に出て目立つプレイはしませんでした。実際には、『トニー・レヴィン』並みにテクニカルなプレイヤーでもあるので少し残念でした。
そういった事もあり、逆に4人の主要メンバーのプレイが、浮き彫りになって聴こえるアルバムとも言えます。
もし『ビル・ブルフォード』と『トニー・レヴィン』のプレイを試聴したいようでしたら、『Live At The NEC -Oct 24th 1989』というライブCDが発売されています。白熱したパワフルな『ライブCD』で『ビル・ブルフォード』と『トニー・レヴィン』が素晴らしいパフォーマンスを行っています。ただ箇所によっては、音源がよれているところがありますので、購入する際には一度音源を聴いてから検討して頂いた方がよいと思います。
ハード・ロック的ではなくプログレッシブ・ロック的
以前発売された『イエス』のライブ・アルバム『イエスソングス』と『イエスショウズ』があります。
どちらかというと『プログレッシブ・ロックではあるがハード・ロック的』だと思っています。筆者としては『アン・イブニング・オブ・イエス・ミュージック・プラス』の時期の方がプログレッシブ・ロック的な演奏をしていると思っています。
以前に『クロース・トゥ・ジ・エッジ』『ゴーイング・フォー・ザ・ワン』をご案内しましたが、それらのアルバムが発売された時期のライブの方が凄くパワフルな演奏をしていたとは思いますが『美しさ』『幻想的』とかそういった部分がとしてはこの時期がよいと思います。それでも迫力など物足りないという方には『イエスソングス』や『イエスショウズ』をお勧めします。
新進的な新しいアレンジ
このツアーでの楽曲アレンジは、以前のイエスや以後のイエスでも存在しないようなアレンジでした。筆者自身としては、このツアーのアレンジをベースとしてさらに『イエス』でも突き進んでいってほしかったと思っています。
『アイヴ・シーン・オール・グット・ピープル』の転調、『アンド・ユー・アンド・アイ』のインタープレイ、『クロース・トゥ・ジ・エッジ』のアレンジ等も素晴らしかったので継続してほしかったと思っています。
演奏者が変われば、アレンジが変わるのは仕方のないことではありますね。
その他の音源はこちらになります。
Anderson Bruford Wakeman Howe / An Evening Of Yes Music Plus(Full)
Albumlist |
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1. Young Person’s Guide To The Orchestra |
2. Time And A Word/Owner Of A Lonely Heart/Teakbois/Time And A Word |
3. The Clap |
4. Mood For A Day |
5. Madrigal/Catherine Parr/Merlin The Magician |
6. Long Distance Runaround/Bill Bruford Drum Solo |
7. Birthright |
8. And You And I |
9. I’ve Seen All Good People |
10. Close To The Edge |
11. Themes |
12. Brother Of Mine |
13. The Meeting |
14. Heart Of The Sunrise |
15. Order Of The Universe |
16. Roundabout |
17. Starship Trooper |
Players |
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Jon Anderson – Vocal |
Steve Howe – Electric Guitar, Acoustic Guitar, Electric Sitar, Pedal Steel, Vachalia, Backing Vocal |
Rick Wakeman – Keyboards |
Bill Bruford – Electric Drum, Electric Percussion |
Jeff Berlin – Bass |
Milton McDonald – Electric Guitar, Acoustic Guitar, Backing Vocal |
Julian Colbeck – Keyboards |
楽曲解説
1. Young Person's Guide To The Orchestra
『ベンジャミン・ブリテン(クラシック・ミュージック作曲家)』の『青少年のための管弦楽入門』という楽曲をライブオープニングで使用しています。教育映画の為に制作された音楽のようです。イエスの場合、『イゴール・ストラビンスキー(クラシック・ミュージック作曲家)』の『火の鳥』をライブのオープニングで使用していました。『青少年のための管弦楽入門』の音楽イメージとしては、『エドワード・エルガー(クラシック・ミュージック作曲家)』の『威風堂々』のような格調高いフィーリングが近いのではないかと思います。
2. Time And A Word/Owner Of A Lonely Heart/Teakbois/Time And A Word
ジョン・アンダーソンが歌うためにセットされた楽曲
『Time And A Word』
オリジナルは、イエスのアルバム『タイム・アンド・ア・ワード』の収録曲
メロディーが美しいバラード。
『Owner Of A Lonely Heart』
オリジナルは、イエスのアルバム『90125』の収録曲
『イエス』で『トレヴァー・ラビン』期のヒット曲。当時の『ニューウェイブぽいサウンド』と『オーケストラル・ヒッツ・サウンド』で有名になった楽曲。『ハーモナイザーを使用したギター・ソロ』はインパクトがあります。
『Teakbois』
オリジナルは、アンダーソン・ブラッフォード・ウェイクマン・ハウのアルバム『アンダーソン・ブラッフォード・ウェイクマン・ハウ』の収録曲。
トロピカルなラテン風な楽曲。
『An Evening Of Yes Music Plus』では
『ミルトン・マクドナルド(ギター)』と『ジュリアン・コルベック(キーボード)』とのシンプルな伴奏をバックにして『ジョン・アンダーソン』がメドレーで歌唱しています。
3. The Clap
スティーブ・ハウのギターソロ
オリジナルは、イエスのアルバム『ザ・イエス・アルバム』の収録曲
カントリー・ミュージック的な楽曲
「ついつい手叩きしたくなる」曲との事で『ビル・ブルフォード』より命名されたが、クレジットされた時点でタイトルが『The Clap(淋病)』となってしまい、スティーブ本人は激怒している。本来は『Clap』を望んでいたようです。『チェット・アトキンス(カントリー・ミュージック・ギターリスト)』をイメージして作曲されたようです。ノリのよりシャッフルな楽曲。またカバーするのが難しいためにギターリスト泣かせの楽曲です。
『An Evening Of Yes Music Plus』では
オリジナルに比べて、音数を整理したような感じでプレイされています。素晴らしい演奏です。
4. Mood For A Day
スティーブ・ハウのギターソロ
オリジナルは、イエスのアルバム『フラジャイル』の収録曲
哀愁漂うスパニッシュ・ミュージック的な楽曲
『サービカス(フラメンコ・ギターリスト)』のイメージで作曲されたようです。
『An Evening Of Yes Music Plus』では
オープニングにパートを追加して演奏しています。素敵な演奏です。
5. Madrigal/Catherine Parr/Merlin The Magician
リック・ウェイクマンのキーボードソロ
『Madrigal』
オリジナルは、イエスのアルバム『トーマト』の収録曲
『バロック・ミュージック』的でメロディーが美しい楽曲。オリジナルには『チェンバロ』で演奏されていました。
『Catherine Parr』
オリジナルは、リック・ウェイクマンのアルバム『ヘンリー八世の六人の妻』の収録曲
手数が多く、『複雑な対位法』などを用いているクラシカル・ロック曲。
『Merlin The Magician』
オリジナルは、リック・ウェイクマンのアルバム『アーサー王と円卓の騎士たち』の収録曲
要所でコーラスを使用したり、ムーグシンセサイザーを使用したり、『ミクスチャー的なクラシカル・ロック曲』です。
『An Evening Of Yes Music Plus』では
メロディーの響きがよい部分を繋ぎ合わせてプレイしています。この時代では、キーボードの質が向上しており、音質も『キラキラしたキーボード・サウンド』を表現しています。『リック・ウェイクマン』はいつもキレキレで凄いプレイをしています。
6. Long Distance Runaround/Bill Bruford Drum Solo
オリジナルは、イエスのアルバム『フラジャイル』の収録曲
可愛らしいロックソング
オリジナルではクリス・スクワイアのソロ曲『The Fish』にアダプトされる流れになります。
『An Evening Of Yes Music Plus』では
初めに『ヴォーカル』と『キーボード』でプレイし、途中から『ギター』『ベース』『ドラム』が加わっていきます。序章として感動的な演出をしています。『ビル・ブルフォード』の『ドラム・ソロ』では、『アフリカン・パーカッション』のような、『変拍子を駆使した凄みのあるプレイ』を披露しています。
7. Birthright
オリジナルは、アンダーソン・ブラッフォード・ウェイクマン・ハウのアルバム『Anderson Bruford Wakeman Howe』アルバムの収録曲
ダークなストリングスサウンドが効いた実験的な楽曲
『ダークなストリングス・サウンド』をバックに響かせ、そこに『アボリジニ風のドラム』『ギターカッティング』が入り、『スティーブ・ハウ』が『アコースティック・ギター』でリードでプレイしていて独特なフィーリングを生み出しています。何かを『訴えかけるようなヴォーカル』が加わりなんとも言えないサウンドを表現しています。中間になると『リード・キーボード』『重厚なキーボード・バッキング』『グルーブ感を増したドラム』が入り、そこに『vachalia(マンドリンのような楽器)』が加わっていきます。凄い実験的なサウンドを試みを行っています。このメンバーだから出来たサウンドだと思います。この音楽性で継続してほしかったと思いました。
『An Evening Of Yes Music Plus』では
中間部の『リック・ウェイクマン』のキーボードの壮絶なプレイが稲妻のようで凄みがあります。『ビル・ブラッフォード』とのコンビネーションも最高です。
8. And You And I
イエスのアルバム『クロース・トゥ・ジ・エッジ』の収録曲
楽曲については、下側のリンク『自然発生的に響く完璧な構成のプログレッシブ・ロック名盤『Close To The Edge』/ Yes』を参照して頂きたいと思います。
『An Evening Of Yes Music Plus』では
『Eclipse』での『キーボードの音質』と『ペダル・スティール』の音色がとても美しいです。『The Preacher The Teacher』での『リック・ウェイクマン』の『キーボード』と『ビル・ブルフォード』の『知的なインタープレイ』が、曲を更に素晴らしくしていると思います。最高のパフォーマンスだと思います。
9. I've Seen All Good People
オリジナルは、イエスのアルバム『ザ・イエス・アルバム』の収録曲
フォーク・ミュージックとロックンロールのバランスが絶妙な組曲
1. Your Move
穏やかなフォーク・ミュージックのパート。 『vachalia(マンドリンのような楽器)』でのイントロが印象的です。終盤は『チャーチ・オルガン』のような重圧なサウンドで盛り上げています。
2. All Good People
ノリのよいシャッフルなロックンロールのパート。『グルーブ感のよいギターソロ』が最高です。
『An Evening Of Yes Music Plus』では
ギターソロ~コーラス後にパートが追加され、『オールマン・ブラザーズ・バンド』のようにプレイヤーごとにソロをプレイを行っていてとても新鮮です。
10. Close to the Edge
オリジナルは、イエスのアルバム『クロース・トゥ・ジ・エッジ』の収録曲
楽曲については、下側のリンク『自然発生的に響く完璧な構成のプログレッシブ・ロック名盤『Close To The Edge』/ Yes』を参照して頂きたいと思います。
『An Evening Of Yes Music Plus』では
オープニングのギターソロの部分では、『ギミック的なリフ・アレンジ』が追加されて、緊張感が更に高めています。『白熱ギターソロ』が展開されています。中間のオルガン導入部辺りからオルガン・ソロまでの『キーボード』と『ドラム』の『インタープレイ』の空間の取り方が素晴らしいです。最高のパフォーマンスだと思います。
11. Themes
オリジナルは、アンダーソン・ブラッフォード・ウェイクマン・ハウのアルバム『Anderson Bruford Wakeman Howe』アルバムの収録曲
ポップな部分とヘヴィーな部分のバランスが調和した組曲
1. Sound
『環境サウンド』を『キーボード』で表現しているパート。『ミニマル・ミュージック』のようなイメージだと思います。
2. Second Attention
ポップ的なグルーブ感のあるパート。パワフルなヴォーカルと空間を一杯に広がる『リード・キーボード・サウンド』が魅力です。
3. Soul Warrior
グルーブ感のあるギター・リフ・サウンド主体のパート。『キーボード』と『ギター』の『インタープレイ』『ユニゾンプレイ』も素晴らしいです。
『An Evening Of Yes Music Plus』では
オリジナルとアレンジは変わりませんが、パワフルで素晴らしい演奏になっています。
12. Brother of Mine
オリジナルは、アンダーソン・ブラッフォード・ウェイクマン・ハウのアルバム『Anderson Bruford Wakeman Howe』アルバムの収録曲
心地よいポップ・フィーリングの組曲
1. The Big Dream
琴の音で始まり、『壮大に広がるヴォーカル・メロディー』は素晴らしいです。『リード・ギター』と『ピアノ風キーボード』のヴォーカルを好サポートしています。
2. Nothing Can Come Between Us
『The Big Dream』をアレンジしたパート。『ギミック的なリフ要素』を追加して、緊張感を高めています。ヴォーカル・メロディーで哀愁感を出して曲調を変えています。
3. Long Lost Brother of Mine
ポップなグルーブ感のあるパート。口ずさみそうなメロディとても心地よいです。『Themes』でもそうですが、曲の最後の締めのフレーズの『ギター』『キーボード』『ドラム』のコンビネーションは素晴らしいです。圧巻です。
『An Evening Of Yes Music Plus』では
オリジナルとアレンジは変わりませんが、より生き生きした演奏になっています。オリジナルよりもスムーズに響きます。『アンダーソン・ブラッフォード・ウェイクマン・ハウ』アルバムの曲では、一番良い曲だと思います。
13. The Meeting
オリジナルは、アンダーソン・ブラッフォード・ウェイクマン・ハウのアルバム『アンダーソン・ブラッフォード・ウェイクマン・ハウ』アルバムの収録曲
ニューエイジ的な楽曲
『ヴォーカル』と『ピアノ風キーボード』で演奏されている心地よいバラード。
『An Evening Of Yes Music Plus』では
オリジナルとアレンジは変わりませんが、透き通るような演奏が素晴らしいです。
14. Heart of the Sunrise
オリジナルは、イエスのアルバム『フラジャイル』の収録曲
静的な部分と動的なな部分がバランスが完璧に調和している組曲的で感動的な楽曲
1. 攻撃的なインストゥルメンタルパート(0:00)
ギターリフは、『キング・クリムゾン』の『21st Century Schizoid Man』を基に作られたようです。『ダークなベースライン』や『ストリングスでのコード進行』も『プログレッシブ・ロック』らしくて素晴らしいです。
2. 悲しげな静かなヴォーカルパート(3:31)
『悲しげなで感動的なヴォーカル・メロディー』が心に刺さります。
3. 悲しげな静かなヴォーカルパート(5:12)
4. ギター主体のギミック的インストゥルメンタルパート(6:52)
『ウネウネとしたキーボード・フレーズ』と『攻撃的なギター・リフ』が交互に繰り返されていて、インパクトがあります。
5. キーボード主体の変拍子パート(8:04)
『クラシカルなピアノ風キーボード』と異なったパートを交互に繰り返されているパート。品格を出しているパートだと思います。
6. 再度、悲しげな静かなヴォーカルパート(9:29)
『リック・ウェイクマン』の『ムーグ・シンセサイザー』でヴォーカルをバックアップしていて、更に感情を高めていると思います。
『An Evening Of Yes Music Plus』では
オリジナルよりも、鮮やかに演奏されています。安定感抜群の演奏をしています。
15. Order of the Universe
オリジナルは、アンダーソン・ブラッフォード・ウェイクマン・ハウのアルバム『アンダーソン・ブラッフォード・ウェイクマン・ハウ』アルバムの収録曲
壮大なテーマから始まるロックンロール組曲
1. Order Theme
『キーボード』でのテーマのメロディ・ラインが壮大に響く印象的なパート。『ディレイを利かせたギターサウンド』がクッション的なよい役割を果たしています。
2. Rock Gives Courage
ロックンロール的なパート。ヴォーカルはかなりパワフルです。
3. It's So Hard To Grow
『Rock Gives Courage』を更に端切れをよくしたパート。途中で『ドラム・ソロ』が入ります。
4. The Universe
『Order Theme』のパートを『マーチング』的にアレンジしたパートになります。
『An Evening Of Yes Music Plus』では
オリジナルとアレンジは変わりませんが、パワフルな演奏になっています。『イエス』も『アンダーソン・ブラッフォード・ウェイクマン・ハウ』もあまりストレートな楽曲がないので楽しめると思います。
16. Roundabout
オリジナルは、イエスのアルバム『フラジャイル』の収録曲
最近では『ジョジョの奇妙な冒険』使用されているようです。
疾走感のあり、物語のような組曲的な楽曲
1. クラシック・ギター的なオープニング(0:00)
始めの『ピアノの逆回転のサウンド』はインパクトを出していると思います。『クラシック・ギター的なギター・ソロ』のイントロは素晴らしい。
2. 疾走感のあるヴァースパート(0:44)
3. 4ビートギターカッティングパート(1:45)
『リック・ウェイクマン』の『高速のアルペジオ』がインパクトがあります。
4. 疾走感のあるヴァースパート(2:29)
5. 4ビートギターカッティングパート(2:49)
6.ヘヴィーなギターリフパート(3:25)
オリジナルでは、『ビル・ブラッフォード』の『アフリカン・パーカッション的なドラム』が印象的です。
7.静かに歌唱するパート(4:58)
8.オルガンソロ・パート(5:50)
『リック・ウェイクマン』のグルーブ感あふれるソロは圧巻です。
9. 疾走感のあるヴァースパート(7:06)
10. 4ビートギターカッティングパート(7:25)
11. コーラスパート(7:55)
11. クラシック・ギター的なエンディング(8:21)
全体として
完璧な構成で作られています。オリジナル盤はかなり『オーバー・ダビング』されているので鮮やかに聴こえると思います。
『An Evening Of Yes Music Plus』では
オリジナルよりも、安定していて鮮やか響いていて素晴らしい演奏をしています。
17. Starship Trooper
オリジナルは、イエスのアルバム『ザ・イエス・アルバム』の収録曲
浮遊するようなフィーリングと空間に引き込まれるような展開が魅力的な組曲
1. Life Seeker
ギターのアルペジオ(分散コード)と変拍子で不思議な空間のパート。『スムーズなヴォーカル・メロディー』が素晴らしい。
2. Disillusion
『フォーク・ミュージック』と『カントリー・ミュージック』を合わせたのようなフィーリングのパート。『グルーブ感のあるアコースティック・ギター』と『コーラス・パート』がグルーブ感が心地よいです。
3. Wurm
2小節のパートの繰り返しですが、空間に引き込まれそうなパート。『ギター・ソロ』では『オーバー・ダビング』で1人2役でレコーディングを行っています。印象的なソロです。
『An Evening Of Yes Music Plus』では
『Wurm』では壮絶な『キーボード・ソロ』と『ギター・ソロ』が展開されています。凄みのある演奏です。
参照記事はこちらになります。
『自然発生的に響く完璧な構成のプログレッシブ・ロック名盤『Close To The Edge』/ Yes』
その他イエス関連記事はこちらになります。
『究極と言う名の神秘的なアルバム『Going For The One』/ Yes』
『新たな要素が光るライブ・アルバム『House Of Yes: Live From House Of Blues』 / Yes』
『完璧なライブ・パフォーマンス『Live At Montreux 2003』 / Yes』
『イエス・ミュージックらしく構築された名盤『Fly From Here』 / Yes』
今回は『Anderson Bruford Wakeman Howe』のライブCD・DVD『An Evening Of Yes Music Plus』をご案内させて頂きました。
機会がありましたら、一度ご試聴頂きたければと思います。