• クールで熱いライブ・アルバム『We Want Miles』 / Miles Davis

    we-want-miles

    こんにちは、teruruです。

    今回、1982年に発売された『Miles Davis』のライブ・アルバム『We Want Miles』をご案内させて頂きたいと思います。

    このライブ・アルバムは、1975年に一時引退をしていた『マイルス・デイヴィス』が、1981年に復帰アルバム『マン・ウィズ・ザ・ホーン』を発売して、そのツアーでの『ライブ・アルバム』になります。複数の場所でのライブで構成されていてベストな選曲になっています

    この時期の『マイルス・デイヴィス』の楽曲は、1970年代に比べるとシンプルに響く楽曲構成になっていると思います。癖がなく聴きやすい楽曲ですので、『マイルス・デイヴィス』初心者の方でも問題なく楽しめるライブ・アルバムだと思っています

    現在の『ウィ・ウォント・マイルス』には、当時同時期に発売されていたライブ・アルバム『マイルス・マイルス・マイルス』という作品がありましたが、そちらは長年廃盤になっていて『マイルス・マイルス・マイルス』に収録されていた3曲がプラスされる形で販売されています。

    筆者の意見としては、収録日がダブっている楽曲もあるので『マイルス・マイルス・マイルス』のアルバムを単体で発売してほしいとは思っています。とはいえ『マイルス・マイルス・マイルス』で収録されていた『ファット・タイム』が『ボーナス・トラック』で収録されているのは嬉しいです。

    https://www.youtube.com/watch?v=ooWvk0Y1yZo&list=PL0q2VleZJVEny7deOsW9932BZ_gsmsNRM
    Miles Davis / We Want Miles チャプター切り替え可能です。

    クールで熱いライブ・アルバムのポイント

    • マイク・スターンのギター・プレイ
    • クールでロック的な楽曲
    • パワフルなリズム・セクション

    マイク・スターンのギター・プレイ

    特にこのアルバムでの『マイク・スターン』の存在感があり、素晴らしいプレイを披露しています。

    『プレイ・スタイル』から見ても、ジャズ系のプレイヤーというよりは『ロック・ギター的』な表現をしていると思います。『ウィ・ウォント・マイルス』では、リレーで言えばアンカーの役割をしているような感じがします

    サックスの『ビル・エヴァンス』はフロント・プレイヤーですが、どちらかというと『マイルス・デイヴィス』に近いフィーリングでプレイしているので『メリハリ』や『インパクト』をつける役割としては、『マイク・スターン』の『ギター・プレイ』が大きな役割になっていると思います。

    特にこの時期のシンプルなイメージの楽曲に関しては、『マイク・スターン』の『ギター・プレイ』は絶大な効果を発揮していると思います。『歪んだトーン』で『ダイナミックなプレイ』や『チョーキング・プレイ』『クリーン・サウンドのカッティング・プレイ』等は最高にマッチしていると思います。注目して頂きたいと思います。

    クールでロック的な楽曲

    1970年代には『ハードなロック・サウンド』『ファンキー・サウンド』『ミニマル・ミュージック』『アフリカン・サウンド』など複雑な要素が連なるように盛り込まれていましたが、この時期の楽曲は『クールでシンプルなロック的』な楽曲で構成されています

    『ウィ・ウォント・マイルス』では、この『メンバー編成』と『楽曲の相性が良く』素晴らしいパフォーマンスが展開されています

    今考えてみると、この音楽性の流れは正しかったと感じています。特に『マイルス・デイヴィス』の晩年の頃の音楽を聴いてみると、この時期の音楽をベースにして、クールな音楽要素を加えて、どんどんアップデートしていっていることが分かります。

    シンプルで素晴らしい楽曲でのパフォーマンスを楽しんで頂きたいと思います。

    パワフルなリズム・セクション

    とにかく『リズム・セクション』が強力です。

    『プロデューサー』と『マルチ・プレイヤー』として有名なベーシストの『マーカス・ミラー』の『ゴリゴリとしたベース・サウンド』は存在感があり素晴らしいと思います。『グルーブ感』も最高で文句なしです。

    1970年代より、『マイルス・デイヴィス』とプレイしてきたドラムの『アル・フォスター』のドラム・プレイは『繊細なハイハット』『リムショットプレイ』や『ダイナミックなクラッシュ・シンバル・プレイ』が見事にはまっていると思います。

    マイルス・デイヴィスとのプレイ後に『スティング』や『ウェザー・リポート』でプレイすることになるパーカッション・プレイヤーの『ミノ・シネル』もタイトでクールな華麗プレイで存在感を示しています。

    リズム・セクションも聴きごたえありますので、チェックして頂きたいと思います

    https://www.youtube.com/watch?v=atgVLfNfqyQ&list=RDatgVLfNfqyQ&index=1
    Miles Davis / Miles! Miles! Miles! Live In Japan ’81
    Albumlist
    1. Jean-Pierre
    2. Back Seat Betty
    3. Fast Track (Aïda)
    4. Jean-Pierre
    5. My Man’s Gone Now
    6. Kix
    Players
    Miles Davis – Trumpet, Keyboard
    Mike Stern – Electric Guitar
    Bill Evans – Soprano Sax, Tenor Sax
    Marcus Miller – Electric Bass
    Al Foster – Drum
    Mino Cinelu – Percussion
    We Want Miles2

    楽曲解説

    1. Jean-Pierre
    クールで落ち着いたロック的な楽曲。(ロング・バージョン)
    クールで落ち着いたロック的な楽曲で『トランペット』や『サックス』は、歌うようにプレイされていて、聴いていて心地よい楽曲だと思います。特に『マイク・スターン』のプレイは伸びやかなギター・トーンでダイナミックにプレイを行っていて聴きごたえがあります。
    2. Back Seat Betty
    オリジナルは、マイルス・デイヴィスのアルバム『マン・ウィズ・ザ・ホーン』の収録曲。
    8ビートでクールでタイトなロック的な楽曲。
    8ビートでクールにタイトに響いていて、緊張感ある『リズム・セクション』がよいと思います。ドラムの『ハイハット』と『リムショット』で細かくリズムを刻んていて、ベースでタイトでクールに包み込んでいてカッコ良いと思います。『カッティング・ギター』もスムーズで聴きごたえあります。また『マイルス・デイヴィス』のプレイ・センスは抜群でよく歌うようにメロディーをプレイしていると思います。
    3. Fast Track (Aïda)
    オリジナルは、マイルス・デイヴィスのアルバム『マン・ウィズ・ザ・ホーン』の収録曲。
    ダイナミックなジャングル・ビート的な楽曲。
    ダイナミックな『ジャングル・ビート』的な楽曲で、『トランペット』も『ギター』のダイナミックなプレイを行っていて、とてもカッコよいと思います。『ドラム』と『パーカッション』も派手に演出しているので聴きごたえがあると思います。
    4. Jean-Pierre
    クールで落ち着いたロック的な楽曲。(ショート・バージョン)
    メロディーを少しプレイしている短いバージョンになります。
    5. My Man's Gone Now
    オリジナルは、ジョージ・ガーシュインの『ポ―ギ―・アンド・べス』というミュージカル・ソング。
    ジャズ・スタンダード・ソングとしても有名で、以前マイルス・デイヴィス自身のアルバム『ポ―ギ―・アンド・べス』でも取り上げています。
    悲しげで味のあるメロディーが印象的な楽曲。
    このライブ・アルバムでは、フュージョンらしくアレンジされています。タメの効いたビートでグルーブ感を出していて、抑制の効いたプレイが印象的です。癖のあるアレンジになっていますが、伸び伸びとプレイされています。『ビル・エヴァンス』のサックスは独特のウネウネしたフレーズがよいと思います。かなり楽しめる内容だと思います。
    6. Kix
    レゲエ風パートとジャズ風パートが交差して構築されているユニークな楽曲。
    『レゲエ風パート』と『ジャズ風パート』が交差して構築されているユニークな楽曲で、とてもオシャレに響く楽曲です。『トランペット』と『サックス』はジャズ的ですが、『ギター』はロック的でそのバランスの楽しめると思います。『テナー・サックス』のプレイを聴いているとレゲエとジャズの交差している音楽を最大限に良さを引きだしていると思いました。
    マイルス・デイヴィス関連記事はこちらになります。
    『静寂なフュージョン・ミュージックの幕開け『In A Silent Way』 / Miles Davis』
    『ハイテンションで破壊的なパフォーマンス『Live At The Fillmore East, March 7, 1970: It's About That Time』 / Miles Davis』
    『タイトでクールなファンク・サウンド『A Tribute To Jack Johnson』 / Miles Davis』
    『反転的なコンセプト・アルバム『Live-Evil』 / Miles Davis』
    『クールで最高の完成度を誇るアルバム『TUTU』/ Miles Davis』

    ※追記

    最新盤『ウィ・ウォント・マイルス』は『デジタル・リマスター』で音量を上げている為か音割れしているような感じがしますので、少し前の『ウィ・ウォント・マイルス』の方がよいかもしれませんね。

    今回、1982年に発売されたMiles Davisのライブ・アルバム『We Want Miles』をご案内させて頂きました。

    機会がありましたら、音楽を楽しんでみて下さい。

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