こんにちは、teruruです。
今回『Rainbow』が1984年にバンド解散後の1986年に発売された『コンピレーション・タイプ』のライブ・アルバム『Finyl Vinyl』をご案内致します。
このアルバムのタイトルは『何語』かも解りませんし、いろいろ調べてみましたが、結局のところ『最後のレコード盤』のような意味に筆者自身解釈しています。『コンピレーション・アルバム』になっており、歴代のレインボー3人のヴォーカル『ロニー・ジェイムス・ディオ』『グラハム・ボネット』『ジョー・リン・ターナー』のライブ音源が聴けるお得なアルバムになります。
基本的には『ジョー・リン・ターナー期の音源』が中心になります。その他に『アルバム未収録音源』や『未発表ライブ音源』も入っているので、最盛期の代表的な楽曲を『ベスト・セレクトに近いのライブ音源』を聴く事が出来ます。レインボー入門としてもよいアルバムだと思います。現在、最新の『Finyl Vinyl』では『ストリート・オブ・ドリームス』等の楽曲が数曲追加されて発売されていますので、そちらの方がよいと思います。
現在、『ジョー・リン・ターナー期』のライブCD/DVD『ライブ・イン・ジャパン1984』が発売されていますが、『Finyl Vinyl』の方がバラエティーに富んでいて良いと思いご案内させて頂きます。『ライブ・イン・ジャパン1984』もよいCD/DVDですので、興味がある方は、お試し頂きたいと思います。
バラエティに富んでいるポイント
- ジョー・リン・ターナー期のベスト・テイクの楽曲が揃っている
- グラハム・ボネット期のライブ音源が入っている
- 1978年のアトランタの未発表ライブ音源
ジョー・リン・ターナー期のベスト・テイクの楽曲が揃っている
『ライブ・イン・ジャパン1984』の音源がメインになりますが、ノリのよい『スポット・ライト・キッド』メロディーが素敵な『アイ・サレンダー』『ストリート・オブ・ドリームス』『ストーン・コールド』等やオーケストラと共演している『ディフィカルト・トゥ・ケア』等聴きどころが満載です。『ディフィカルト・トゥ・ケア』では一部では『ギターのオーバー・ダビング』を行っているようです。
『キャント・ハプン・ヒア』は1981年のテイクを使用しています。『ライブ・イン・ジャパン1984』にも収録されていますが、かなり早いテンポで演奏されているので『Finyl Vinyl』バージョンの方が良いバージョンだと思います。『ジェラース・ラヴァー』のような『完成度の高い未収録曲』が収録されているので楽しめると思います。
グラハム・ボネット期のライブ音源が入っている
1980年のドニントンでの『シンス・ユー・ビー・ゴーン』が入っています。キャッチで掴みやすい曲ですので楽しめると思います。
近年『モンスターズ・オブ・ロック – ライブ・アット・ドニントン1980』というタイトルで1980年のイギリスの『ドニントン』のライブ・アルバムが発売されました。『コンプリート盤ではない』ですが、少しオーディエンスが煩い感じはありますがよいアルバムですので、興味のある方はご試聴頂きたいと思います。
1978年のアトランタの未発表ライブ音源
1978年の『アトランタの未発表ライブ音源』の『マン・オン・ザ・シルバー・マウンテン』と『ロング・リヴ・ロックンロール』が収録されています。
よくブートレッグ音源として動画に配信されていたりしますが、どれも聴けるレベルの音質ではないので、とても貴重です。
特に『ロング・リヴ・ロックンロール』はこの年代のものとしては一番よいと思っています。ライブCD/DVD『ライブ・イン・ミュンヘン1977』もありますが、そちらのライブ・テイクよりも『Finyl Vinyl』バージョンの方がよいテイクだと筆者は思っています。
願望としては、1978年のアトランタでのライブを高音質のフル・ライブで聴いてみたいですが、発売されたら嬉しいですね。
Albumlist |
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1. Spotlight Kid (Tokyo 1984) |
2. I Surrender (Tokyo 1984) |
3. Miss Mistreated (Tokyo 1984) |
4. Street Of Dreams (Tokyo1984) |
5. Jealous Lover (未収録音源) |
6. Can’t Happen Here (New York 1981) |
7. Tearin’ Out My Heart (Texas 1982) |
8. Since You Been Gone (England 1980) |
9. Bad Girl (未収録音源) |
10. Difficult To Cure (Tokyo 1984) |
11. Stone Cold (Texas 1982) |
12. Power (Texas 1982) |
13. Man On The Silver Mountain (Georgia 1978) |
14. Long Live Rock ‘n’ Roll (Georgia 1978) |
15. Weiss Heim (未収録音源) |
Players |
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Joe Lynn Turner – Vocal (1-7, 11, 12) |
Ritchie Blackmore – Electric Guitar |
David Rosenthal – Keyboard (1-5, 7, 10, 11, 12) |
Roger Glover – Bass (Omit 13, 14) |
Chuck Burgi – Drum (1-4, 10) |
Bobby Rondinelli – Drum (5-7, 11, 12) |
Graham Bonnet – Vocal (8, 9) |
Don Airey – Keyboard (6, 8, 9, 15) |
Cozy Powell – Drum (8, 9, 13, 14, 15) |
Ronnie James Dio – Vocal (13, 14) |
David Stone – Keyboard (13, 14) |
Bob Daisley – Bass (13, 14) |
楽曲解説
1. Spotlight Kid
オリジナルは、レインボーのアルバム『ディフィカルト・トゥ・ケア』の収録曲。
ノリがよく、歯切れのよい楽曲。
16ビートでリズムを刻まれていて、疾走感があってよいです。『カッティング・リズム・ギター』で弾みを付けていて、心地よい仕上がりになっています。『ギター・ソロ』『キーボード・ソロ』の後に『クラシカル風なフレーズ』が印象的です。オリジナルでは、『ドン・エイリー』がさまざまな音楽テクニックを使って『キーボード・ソロ』を披露していてインパクトがあります。
『Finyl Vinyl』では
かなり速いテンポで演奏しています。オープニング向けの楽曲になります。『デイヴィット・ローゼンタール』の『キーボード・ソロ』はスムーズなスケールでプレイされています。
2. I Surrender
オリジナルは、レインボーのアルバム『ディフィカルト・トゥ・ケア』の収録曲。
悲しげなメロディー・コード進行が印象的な楽曲。
コード進行が細かく、それに対してメロディーやフレーズが完璧に収まっている素晴らしい楽曲です。曲を書いた『ラス・バラード』は素晴らしいです。作曲時点からレインボーでどこまでアレンジしたかまではわかりませんが、オリジナルではよい仕上がりになっていると思います。
『Finyl Vinyl』では
オリジナルよりもキーを半音下げてプレイしています。オープニングの『対位法的なキーボードのオープニング・ソロ』も素晴らしいです。『アウトロー』の『ギター・ソロ』もメロディーに合わせながら、飽きさせない素晴らしいプレイをしています。
3. Miss Mistreated
オリジナルは、レインボーのアルバム『ストレート・ビトゥイーン・ザ・アイズ』の収録曲。
ミディアム・テンポで味わいがある楽曲。
何度か聴いていくと、楽曲の心地よさに気付けると思います。少し『フォリナー(バンド)的』なフィーリングの楽曲かもしれません。
『Finyl Vinyl』では
生き生きしたプレイでとても良いと思います。『スライド』での『ギター・プレイ』もよいフィーリングを出していると思います。
4. Street Of Dreams
オリジナルは、レインボーのアルバム『ベント・アウト・オブ・シャープ』の収録曲。
フォーク・ミュージック風で優しいメロディーの楽曲。
とてもメロディアスは楽曲で、聴いていて心地よいと思います。『ムーグ・シンセサイザー』で『イエス』の『ラウンドアバウト』のようにアルペジオで曲を包みこんでいる部分など印象的です。
『Finyl Vinyl』では
ライブでは『ヴォーカル』も『エレクトリック・ギター』も自由にプレイしていると思います。特に『アイ・サレンダー』や『ストリート・オブ・ドリームス』のような楽曲は、ライブの場合、プレイヤーの力量で付加価値を付けることで、曲の良さが最大限に発揮されると思っています。『ストリート・オブ・ドリームス』も該当すると思います。
5. Jealous Lover
フックが効いたギター・リフが印象的でグルーブ感のある楽曲。
ヴォーカルのメロディーに細かく強弱がついていて、素晴らしいアレンジが施されています。『ギター・ソロ』も自然に入っていてとてもよいと思います。『ジョー・リン・ターナー』の魅力が発揮されている楽曲です。
6. Can't Happen Here
オリジナルは、レインボーのアルバム『ディフィカルト・トゥ・ケア』の収録曲。
ミディアム・テンポの軽快なロックンロールソング。
『レインボー』のアルバム『ライジング』を聴いている人にとっては『本当にレインボーの楽曲なのか?』と思うようなポップな楽曲。口ずさみたくなるような『コーラス』もよいと思います。『ギター・ソロ』の前のアルペジオも印象的です。
『Finyl Vinyl』では
オリジナルに近いテンポで演奏されているのでよいと思います。シンプルに楽しめる演奏になっています。
7. Tearin' Out My Heart
オリジナルは、レインボーのアルバム『ストレート・ビトゥイーン・ザ・アイズ』の収録曲。
悲しげでもあるが、ダイナミックな部分がアダプトされているバラード。
ダイナミックなセクションを盛り込んでいることで、単なるバラードになっていないと思います。『ハモンド。オルガン』での伴奏もよいと思います。
『Finyl Vinyl』では
ライブでは、後半の『パワフルなギター・ソロ・パート』が設けられていて感動的に仕上げています。『レインボー』らしい素晴らしいアレンジです。DVD『ライブ・ビトゥイーン・ザ・アイズ』にも収録されています。
8. Since You Been Gone
オリジナルは、レインボーのアルバム『ダウン・トゥ・アース』の収録曲。
キャッチでノリのよいポップソング。
『グラハム・ボネット』のハスキーで鋭い歌唱が印象的で、当時の『レインボー』のイメージを決定づけた楽曲だと思います。オリジナルでは、軽快でパーティー的な仕上がりでした。素敵な楽曲です。
『Finyl Vinyl』では
ライブでは、アウトローのギター・ソロに入る前に終了するアレンジに変えています。パワフルなヴォーカルを披露しています。
9. Bad Girl
軽快なロックンロールソング。
この楽曲は、アルバム未収録曲ということで、追加された楽曲だと思っています。『フックの効いたギター・リフ』は悪くないと思います。
10. Difficult To Cure
オリジナルは、レインボーのアルバム『ディフィカルト・トゥ・ケア』の収録曲。
ベートーベンの交響曲第9番の4章のメロディーをモチーフにして完成させたインストゥールメンタルの楽曲。
メロディーはモチーフにしているが、構成等はベートーベンの交響曲第9番の4章とは全く違うものになります。『アラビア風のイントロ』や『エキサイティングなギター・ソロ』が印象的です。また知的な『ドン・エイリー』の『キーボード・ソロ』も魅力的です。
『Finyl Vinyl』では
この一曲の為に『新日本フィルハーモニー交響楽団』と共演しています。アレンジは『デイヴィット・ローゼンタール』が行っています。全体的な『オーケストラ・アレンジ』は素晴らしいです。イントロの『アラビア風のイントロ』も壮大なアレンジなっています。『ライブ・イン・ジャパン1984』や『ザ・ファイナル・カット』という『プロモーション・ビデオDVD』にも収録されていますので、興味がある方は確認頂きたいと思います。
11. Stone Cold
オリジナルは、レインボーのアルバム『ストレート・ビトゥイーン・ザ・アイズ』の収録曲。
悲しげで味わいのあるパワーバラード。
味わい深いヴァースとコーラス前の部分のパワフルなアプローチのバランスが素晴らしいです。流れるようなリフも素晴らしいと思います。
『Finyl Vinyl』では
イントロの『キーボード・ソロ』は、『ディープ・パープル』の『チャイルド・イン・タイム』のイントロのようでとてもよいと思います。オリジナルに負けない素晴らしい演奏をしています。DVD『ライブ・ビトゥイーン・ザ・アイズ』にも収録されています。
12. Power
オリジナルは、レインボーのアルバム『ストレート・ビトゥイーン・ザ・アイズ』の収録曲。
ノリがよく、歯切れのよいポップソング。
カッティングでリズム・ギターを刻んでるので、ノリがよく明るいメロディーが印象的です。『ジョー・リン・ターナー期』の特徴的な楽曲です。
『Finyl Vinyl』では
生き生きとした演奏でパフォーマンスを行っています。DVD『ライブ・ビトゥイーン・ザ・アイズ』にも収録されています。
13. Man On The Silver Mountain
オリジナルは、レインボーのアルバム『リッチー・ブラックモアズ・レインボー』の収録曲。
楽曲については下側のリンク『情熱が溢れ出る炎のライブアルバム『Live In Germany 1976』 / Rainbow』を参照して頂きたいと思います。
『Finyl Vinyl』では
『ロニー・ジェイムス・ディオ』のパフォーマンスを含めて素晴らしい演奏を行っています。中間で『ブルース・セッション』が導入されています。
14. Long Live Rock 'n' Roll
オリジナルは、レインボーのアルバム『ロング・リヴ・ロックンロール』の収録曲。
軽快なリズムの楽曲ではあるが、パワフルなロックンロールソング。
シンプルなロックンロールですが、コーラスに入る前にフックの効いたリフが独特のアクセントになっていると思います。レインボーのライブでは特に盛り上がる楽曲です。
『Finyl Vinyl』では
この年代の『ロング・リヴ・ロックンロール』のライブ・バージョンでは一番よいテイクだと思っています。アトランタでの演奏は切れがあり、とてもよいと思います。
15. Weiss Heim
静寂で感動的なインストゥールメンタル・バラード。
『ジェフ・ベック』が弾きそうな感じの楽曲。メロディーが美しく素晴らしい。『ドン・エイリー』の『ピアノ風のキーボード伴奏』も見事です。
参照記事はこちらになります。
『情熱が溢れ出る炎のライブアルバム『Live In Germany 1976』 / Rainbow』
その他リッチー・ブラックモア関連記事はこちらになります。
『史上最強のRockアルバム『Made In Japan』/ Deep Purple』
『置き去られたライブの名盤『Made In Europe』 / Deep Purple』
『Heavy Metalの草分け的な名盤『Rising』 / Rainbow』
『スリリングな集大成ライブ『Black Masquerade』 / Ritchie Blackmore’s Rainbow』
『素晴らしいロックの思い出『Memories In Rock II』 / Ritchie Blackmore’s Rainbow』
今回『Rainbow』の『コンピレーション・タイプ』のライブ・アルバム『Finyl Vinyl』をご案内させて頂きました。
機会がありましたら楽しんでみてください。