• 史上最強のRockアルバム『Made In Japan』/ Deep Purple

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    こんにちはteruruです。

    今回は、演奏力が世界トップクラスのバンド『Deep Purple』の1972年に録音された『Made In Japan』をご案内します。

    『メイド・イン・ジャパン』は、『世界的にライブ・アルバムの名盤』とされています。『演奏の完成度』『演奏に対しての熱量』そして『1972年に録音されたにも関わらず素晴らしい音質で録音』されていて、目の前で聴いているような演奏を聴くことが出来ます。『超人的な演奏』が楽しめます。

    今回は、何度となくアルバムが再発されていますが、筆者自身は『メイド・イン・ジャパン』の『1998年盤』をご案内させて頂きます。お勧めする理由としては、アルバム2枚組になっており『1枚目には通常盤』『2枚目にはアンコール3曲がピックアップ』されているのでライブの全貌がつかみやすいと思います。

    2014年に『Super Deluxe Box(1972年の「大阪(1972/8/15)」「大阪(1972/8/16)」「東京(1972/8/17)」での「3Daysのアルバム3枚」と「アンコール3日分のアルバム1枚」「ドキュメンタリーDVD1枚」)をまとめてたボックスセット。』も発売されていますが、3日間それぞれよい演奏をしていますがベスト・チョイスされている『メイド・イン・ジャパン』の1998年盤の方が選ぶ必要がなくシンプルだと思います。

    どうしてもコンプリート盤で聴きたいという方は、『Super Deluxe Box』を試聴頂きたいと思います。

    Deep Purple / Made In Japan チャプター切り替え可能です。

    史上最強のRockアルバムのポイント

    • 演奏力、パフォーマンスが凄い
    • 音質、楽器のミックス・バランスも文句なし
    • 大坂、東京を合わせて3Daysからベスト・テイクをピックアップ!

    演奏力、パフォーマンスが凄い

    当時ここまで凄みのある演奏が出来るバンドとしては、『レッド・ツェペリン』『イエス』『クリーム』等のいくつかのバンドしかなかったと思っています。

    当時の『ディープ・パープル』の楽曲はシンプルにストレートに響いて、なおかつ最高によいメロディーを乗せています。これが名盤となった要因の一つでもあると思っています。他のアーティストにもよくカヴァーされたりもしていますので、カヴァー自体は簡単だと思いますが、ここまで素晴らしくプレイできるミュージシャンはなかなかいないと思います。

    シンガーの『イアン・ギラン』は『オペラ歌手並みのハイトーン』をファルセットなしでパワフルに歌っていて、当時としてはかなり凄みがあるパフォーマンスをしています。(もちろんファルセットも上手いシンガーです。)

    エレクトリック・ギターの『リッチー・ブラックモア』、ハモンド・オルガンを主体にする『ジョン・ロード』の『息のあったインタープレイ』は特に素晴らしく、『インプロヴァイズ(曲に合わせて自由に演奏する事)』は神レベルです。『ロック・バンドでありながらジャズ・ミュージシャン並みの演奏力』だと思います。当時はどういった理由かわかりませんが、『ジョンロード』の『ハモンド・オルガンをギターのマーシャル・アンプを繋いで音を出していた』事もポイント1つかもしれません。

    ベースの『ロジャー・グローヴァー』ですが、当時『リッケンバッカー』というメーカーの『ベース』を使用していた為か、『かなりヘヴィーな荒々しいトーン(ファジーなトーン)』でプレイしています。これもアルバムをとても良いサウンドにした要因と筆者自身思っています。

    ドラムの『イアン・ペイス』は『ジャズドラマー並みの擦り切れるようなスネアドラム』と『シャッフルなリズム感』でバンドを包み込んでいます。

    これらの達人が最高に調和して生まれた名演が『メイド・イン・ジャパン』だと思っています。このラインアップは1973年で終了してしまいましたのでとても残念です。続いていたらもっと名盤が出ていたかもしれませんね!

    同年にBBCで放送用に録音されたアルバム『イン・コンサート1972』もありますが、そちらは音質的には良いと思いますが、『メイド・イン・ジャパン』ほどのテンションではありませんでしたので、比べて頂くと違いがわかるかもしれません。ただ抑制された素晴らしい演奏で聴くことができます。

    音質、楽器のミックス・バランスも文句なし

    当初は日本のみの発売予定だったらしく、当時制作費がわずか3000ドル(おおよそ100万円ほど)で大阪(1972/8/15、1972/8/16)と東京(1972/8/17)の3日間で録音されたようです。

    メンバーより録音を行うのであればしっかり録音すべきだと言う事で、当時の『レコード・プロデューサー』の『マーティン・バーチ』が呼び出され、録音を行い音源を確認したところあまりにも出来の良さが素晴らしかった為、『ロジャー・グローバー』と『イアン・ペイス』が、3日間より選りすぐりの楽曲を選びミックスを行い史上最強のアルバムの発売に至りました。

    私自身の感想としては、『臨場感も抜群によく』『音圧細りもなく』『音割れも目立たない』非の打ちどころがないアルバムと思います。『オーバー・ダビングを行っていない』ことも特筆だと思います。

    大阪、東京を合わせて3Daysからベスト・テイクをピックアップ!

    特に演奏の出来が良かった『大阪(1972/8/16)』がメインで選ばれていると思います。筆者自身すべての音源を聴いていますが、ミスがある部分は仕方ないとしても、3日間ともハイレベルの演奏を行っていますので、選ぶことは相当大変だったのではないかと思います。『ベスト・テイク』と断言できる内容です。

    Deep Purple / Black Night
    Deep Purple / Speed King
    Deep Purple / Lucille
    その他の音源はこちらになります
    Deep Purple / In Concert '72(2012 Remix)
    Deep Purple / Live In Copenhagen 1972
    Deep Purple / Live In New York 1973
    Albumlist
    1. Highway Star (1972/8/16 Osaka)
    2. Child In Time (1972/8/16 Osaka)
    3. Smoke On The Water (1972/8/15 Osaka)
    4. The Mule (1972/8/17 Tokyo)
    5. Strange Kind Of Woman (1972/8/16 Osaka)
    6. Lazy (1972/8/17 Tokyo)
    7. SpaceTruckin’ (1972/8/16 Osaka)
    Disc 2.
    1. Black Night (1972/8/17 Tokyo)
    2. Speed King (1972/8/17 Tokyo)
    3. Lucille (1972/8/16 Osaka)
    Players
    Ian Gillan – Vocal
    Ritchie Blackmore – Electric Guitar
    Jon Lord – Organ、keyboards
    Roger Grover – Bass
    Ian Paice – Drum
    deep-purple

    楽曲解説

    1. Highway Star
    オリジナルは、ディープ・パープルのアルバム『マシーン・ヘッド』の収録曲。
    ストレートで爽快なロック・ソング。
    ストレートなロック・ソングですが、中間に『バロック的なコード進行』を盛り込まれていたり実験的な試みをしている楽曲。TVのコマーシャルでも使用されました。
    『Made In Japan』では
    最初のドラムのスネアの音でワクワクを覚えます。曲の中間ではキレキレの『オルガン・ソロ』や『ギター・ソロ』では宙に舞う様なスリリングなプレイをしています。『限界ギリギリのハスキー・ヴォイス』と『スクリーミング・ヴォイス』で圧倒されます。
    歌詞
    高速道路での走行している時の感情表現を女性に例えたり、自身の頭の中のイメージで比喩的に表現している内容であると思います。
    2. Child In Time
    オリジナルは、ディープ・パープルのアルバム『イン・ロック』の収録曲。
    感動的なロック・バラード。
    中間に長尺なギター・ソロが設けられています。『イアン・ギラン』がハイトーンで『オペラのようなスクリーミング・ヴォイス』をファルセットなしで歌っていて、普通のシンガーではできない歌唱を行っていて凄みがあるパフォーマンスだと思います。
    『Made In Japan』では
    中間のギター・ソロでは永遠に続くのではないかと思うぐらいにアグレッシブなソロを行っています。ヘッド・バッキングしたくなるようなプレイです。全体的にグルーブ感がオリジナルよりもはるかによいと思います。
    歌詞
    戦争についてイメージや願いを語ったものだと捉えています。
    3. Smoke On The Water
    オリジナルは、ディープ・パープルのアルバム『マシーン・ヘッド』の収録曲。
    ミディアム・テンポでダークで印象的な楽曲。
    4ビートごとに刻まれるギターリフ。ぞくぞくするようなイメージがよいです。一部不協和音を入れる事でさらにインパクトを出していると思います。ギターリフだけではなく、ギターリフと歌詞とメロディーのイメージ調和はとても完成度の高いものに押し上げていると思います。TV等で一度必ずどこかで聞いた事はある楽曲です。
    『Made In Japan』では
    特に『ジョン・ロード』の『アウトローのオルガン・ソロ』がとてもグルーブ感があり気に入っています。『イアン・ギラン』が『スキャット・ヴォーカル』で盛り上げています。歪み切ったベースも良い感じで楽曲を包みこんでいます。
    歌詞
    実話を元にしたものになります。バンドのメンバーが『フランク・ザッパ』のカジノでのライブを観戦していた際に、観客が建物の天井に照明弾を撃ち込み、火災が発生しライブが中断になり、燃え落ちるカジノについてのドキュメンタリーな内容を歌詞にしています。
    4. The Mule
    オリジナルは、ディープ・パープルのアルバム『ファイヤー・ボール』の収録曲。
    印象的なギター・リフとグルーブ感のあるリズムがノリが良い楽曲。
    ヴォーカルは穏やかに流れる感じで歌唱しています。インストゥールメンタル的な楽曲。
    『Made In Japan』では
    中間より『イアン・ペイス』の『ジャズ・ドラマーのようなスネアが擦り切れるようなソロ』を展開。グルーブ感だけでも楽しめると思います。
    歌詞
    女性に対しての思いを語っている内容だと思います。
    5. Strange Kind Of Woman
    オリジナルは、ディープ・パープルのアルバム『ファイヤー・ボール』の収録曲。
    ミディアムテンポのロックンロール・ソング。
    要所でブルース的な要素が感じられる、ミディアムテンポのロックンロール・ソング。
    『Made In Japan』では
    曲の中間に『リッチー・ブラックモア』のギターと『イアン・ギラン』のヴォーカルの『インタープレイ』が楽しめます。ギターのハイポジション・フレーズをヴォーカルのハイトーンで掛け合いで反応してプレイしています。『イアン・ギラン』が『強力なハイトーン・ヴォイス』を出せる為に行えるパフォーマンスだと思います。『ギター・ソロ』も流れるようにプレイしていて心地よいです。
    歌詞
    ナンシーという女性は変わった人なんだという事を伝えている内容だと思われます。
    6. Lazy
    オリジナルは、ディープ・パープルのアルバム『マシーン・ヘッド』の収録曲。
    ブルース・ロックまたはプログレッシブ・ブルース的な楽曲。
    クリームで演奏された『ステッピン・アウト』が基になっているようです。『ギター・ソロ』『オルガン・ソロ』『ヴォーカル』『ブルース・ハープ・ソロ』『ヴォーカル』『ギター・ソロ』という構成で展開されています。『ジャズ・ブルース』に近いかもしれません。
    『Made In Japan』では
    『インプロヴィゼーション・バンド』としての凄さを感じさせてくれる演奏を行っています。遊びなどもところどころ入れていれ余裕をみせているところは流石に凄いです。かなり長尺は曲ですが全く飽きさせることなく一気聴かせてしまう凄さに驚きます。
    歌詞
    お前は怠け者という事を表現し言い表している内容。昔からのブルース的な主張イメージで表現している。
    7. Space Truckin’
    オリジナルは、ディープ・パープルのアルバム『マシーン・ヘッド』の収録曲。
    ミディアム・テンポでアグレッシブなロック・ソング。
    『Made In Japan』では
    ライブで派手にパフォーマンスを行う為の楽曲になります。楽曲演奏後に『オルガン・ソロ』では、『ホルスト』の『ジュピター』のフレーズを導入したり、『ギター・ソロ』では『ヴォリューム奏法』を使用して楽しんでいます。
    歌詞
    宇宙での交流を楽しんでいる様子について表現している内容です。
    1. Black Night
    ミディアム・テンポでグルーブ感のよいロック・ソング。
    缶コーヒーのブラックで有名になった曲。イントロのギター・リフがとても有名。曲に乗っているメロディーもシンプルで素晴らしい。『オルガン・ソロ』では移調して、フィーリングを崩すこともなくスムーズなプレイも素晴らしいです。『リッキー・ネルソン』の『サマータイム』の『ベース・リフ』を基に作られたようです。
    『Made In Japan』では
    オリジナルよりも生き生きとした演奏になっていて、カッコよく仕上がっています。グルーブ感も最高です。
    歌詞
    黒い夜について色々な角度から表現している内容です。
    2. Speed King
    オリジナルは、ディープ・パープルのアルバム『イン・ロック』の収録曲。
    パワーコードでダイナミックに展開されるロック・ソング。
    『ジミ・ヘンドリックス』の『ファイヤー』より発展させた楽曲。『イアン・ギラン』ではないと歌えないような『スクリーミング・メロディー』で表現されていて、普通のヴォーカルでは歌えないメロディーだと思います。中間部では『エレクトリック・ギター』と『オルガン』の『インタープレイ』もスリリングな演奏も楽しめます。
    『Made In Japan』では
    『ジョン・ロード』がキレキレな『オルガン・ソロ』をプレイしていてが最高のプレイをしています。
    歌詞
    俺のロックを聴いてくれと言っているような内容です。『リトル・リチャード』の楽曲名を歌詞に使用して言葉遊びを行っています。
    3. Lucille
    ストレートなロック・ソング。
    『リトル・リチャード』の楽曲カバー。ストレートなロック・ソング。以前は『ザ・ビートルズ』もカバーしていました。こういったストレートな楽曲はディープ・パープルに合っていると思います。
    『Made In Japan』では
    アンコールとして設置された楽曲だと思われます。パワフルに爽快な演奏が行われています。
    歌詞
    大好きなルシールという女性に語り掛けている内容です。

    今回『Made In Japan』(1998年盤)をご案内させていただきました。
    このアルバムは歴史的に名盤中の名盤ですので一度試聴して頂いてはいかがでしょうか。

    その他リッチー・ブラックモア関連記事はこちらになります。
    『置き去られたライブの名盤『Made In Europe』 / Deep Purple』
    『Heavy Metalの草分け的な名盤『Rising』 / Rainbow』
    『情熱が溢れ出る炎のライブアルバム『Live In Germany 1976』 / Rainbow』
    『バラエティに富んだコンピレーション・ライブ・アルバム『Finyl Vinyl』/ Rainbow』
    『スリリングな集大成ライブ『Black Masquerade』 / Ritchie Blackmore’s Rainbow』
    『素晴らしいロックの思い出『Memories In Rock II』 / Ritchie Blackmore’s Rainbow』

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